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人がまばらなカフェで、なゆかと佳織、そして佳織の小さな娘が同じテーブルにいる。
「私も子供欲しいなあ」となゆかはため息をついた。
それを聞いて意外そうに佳織が言う。
「あれ?子供欲しくないって言ってなかったっけ?」
うーん、という顔をしながらなゆかが答える。
「やっぱり皆が結婚してママになるのを見ていると焦ったりするよ」
そんななゆかに対して佳織は諭すように言った。
「でも子育て超きついし、親戚付き合い面倒だし。私は今仕事に全力投球できないからモヤモヤするよ。その点、バリバリ仕事してるなゆかが羨ましいよ」
夜の新宿三丁目駅のホームは人がごった返していた。その中でなゆかはため息をつきながらひとりごちた。
大学生の時に描いた未来予想図とはだいぶ違う人生になっちゃったなあ、と。
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