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パラライズモードだったようで血生臭い展開は避けられた。僕は早速、無線機で応援を呼んだ。船内のセンサーが発砲を検知して知らせたみたいで、同乗者が応援に駆けつけた。
男は武装していたから、ためらうことなく彼女は発砲した。しかし男に光球は届かず、もう何回か引き金を引いても結果は変わらない。
「偏光シールドだ!」
彼女が叫んだ。法執行機関に支給されるパルスガンには一発ごとに周波数を変更する変調器が搭載されていて、民生用の偏光シールドなら破れるようになっている。しかし男が所持しているのは違うらしい。
男も同じくしてパルスガンを撃った。拳銃型ではなく大型バッテリーが搭載された小銃型で、彼女が持っているシールドを一発で焼き切ってしまった。こうなると次がなくなってしまう。
僕も銃を抜くとスライドを引いて初弾を装填した。素早く照門と照星を合わせ、僕は股間を狙って一発撃った。
破裂音と共に男の大腿部に数十グラムの銅がめり込み、それによって二発目の発射は防げた。僕はもう一発を叩き込んで彼の膝を折らせた。
「火薬式か?」
呆れたふうに彼女は尋ねた。そんな反応でも無理はなく、火薬を使う銃なんて今では特殊な競技でもなければ扱われない。だから関税局に制式採用されている代物ではなく、僕の私物だった。
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