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泥のように深い眠りから引き上げられるように目を覚ました。時計を見る。すでに昼を過ぎているようだ。しかし窓の隙間からは日は照り付けてはいない。カーテンを開いてみる。そらは深い灰色に染まり、鉛が混ざっているかのような黒い雨が、雨戸に当たり滴り落ちてくる。ぼくは雨が好きではない。否応もなくあの日のことを思い出してしまうから。窓から目を背けるように半ば強引にカーテンを閉める。洗面所で顔を洗うと、そのままリビングに向かった。テーブルの上を見ると、ラップのかかったご飯と焼き魚。そしてその隣にはメモ帳の切れ端がある。
起きたらたべてね まーや
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