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免疫説、体内時計説、遺伝子変質説など、さまざまな仮説が立てられているものの、その原因やメカニズムは完全にはまだ解明されていない。太陽が完全に出ていない状態――地平線に太陽が半分以上隠されている夕方や朝方や夜の間に生まれた者は、太陽の下では生きられない体になるのだ。人工的に出産時間を操作することは禁じられている上に、技術的にも不可能。夜に生まれた者に人工の疑似太陽光を当てるという実験も行われたが、成果は無かった。
日の出ている時間は、夏は約十三時間、冬は約十一時間。一年を通して平均すると十二時間となる。一日二十四時間のうちの半分。確率は二分の一。
太陽が出ているときに生まれたかどうか。
それで一生を、昼に生きるか夜に生きるかが、決まる。
夜に生まれた者は――
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