ハク・ハク・シロ

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ハク・ハク・シロ

「我思う、故に我あり――えー、この言葉は……」  教授の声は何の不純物も含まない水みたいだ。俺の耳に入って脳を通ってもう一方の耳から出ていく。何にも残さずに。  白いチョークで線が描かれ、文字を形作っていく。その意味さえ俺の脳は理解しない。  消えた『女神』の探し方。  いま俺が知りたいことは、大学の講義なんかじゃ教えてくれない。
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