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君と一緒に
プロローグ
新暦323年3月30日。
明日は6年生のお別れ会だ。
用意は基本的に僕ら5年生がする。
結構というかかなり大変。
式場の体育館をいつも以上に念を入れて掃除。
再生ティッシュ重ねて花を作って飾ったり。
字の上手い人に題字を書いて貰ったり。
椅子を並べたり音響や照明をセットしたり。
ひととおり用意が終わって解散したのはもう16時過ぎだった。
くたくたになって教室へと戻る。
もう役員の僕以外は誰も残っていない。
しょうがないなとため息一つ。
教科書等をカバンに入れて教室を出る。
廊下を歩いて階段まで来たときだ。
「お疲れ様、ミナト君」
知っている声がした。
アキコ姉だ。
アキコ姉は1年上の6年生。
僕の居住区と児童会の先輩だ。
「アキコ姉、どうしたんですか」
「明日でお別れだから、色々見て回っていたの」
アキコ姉は明日、お別れ会を迎える。
6年生は1組から10組まで10クラス300人。
そのうち、
A 戦闘機適性がランクB+以上
(今回は3人)
B 遺伝子多様性上必要と思われる生徒
(今回は2人)
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