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その森繁が明け渡したソフトの中には。森繁が小学生のころ大流行していたカードゲーム、”モンスターカイザー”の携帯機移植版も含まれていた。・・・カードは森繁の手の元にあったのだがその携帯機移植版の中には、森繁が丹精込めて育てたモンスターカイザーのキャラ達のデータが入っていて・・・それは”森繁がそのキャラを生贄に差し出した”のと同じだった。
・・・そして今。森繁 武は会社にて話題に上がっていたK駅・・・彼の家からの最寄り駅の前にいる。
やがて彼の時計の表示が0時を回った時。ぼんやり、と職場の人たちの間で話題になっていた”怪奇”の正体たちが姿を現し。その”モノ”達の姿を見て森繁は動揺が隠せなくなる。
「・・・や、やっぱり…お前たち…だったのか…。」
“怪奇の正体”。・・・それは、モンスターカイザーで森繁が丹精込めて育てたキャラ達だった。
溶けたアイスのような姿のキャラドロイムに、二本足のクワガタムシのキャラスガトール。そのキャラたちは、森繁の姿を視認するや否や、恨みのこもった視線を森繁に向け・・・。怒りのこもった声で森繁に言葉を放った。
「よくも…よくも僕たちのことを…裏切ってくれたな・・・・!」
「・・・ごめん…お前たち…本当、ごめん…。」
「許すものか、この恨み…晴らさずにはいられるか…!」
ジワリジワリ、と森繁にちかづいてくるそのキャラ達。そのキャラ達に、森繁は一斉に取り囲まれ。
・・・翌日早朝。K駅前で若者の変死体が道路上で発見された。
その日の昼休み。森繁の働いていた会社では…また、別の怪談が話題になっていた。
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