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「助けて、って言っていたんだね。気付いてあげられなくて、ごめんなあ」  呟くと、目の前に男の子がいた。その大きい瞳を悲しげに細めて、背を向けると走って行って消えた。  男の子はまだ、母親を助けてくれる人を求めて、深夜の町を走り回っているのだろうか。  私は、もうすぐこのアパートを出て行く。 了
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