氷の煙

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「それはわかるよ。でも、薬物が入ってるようなものを飲んでちゃ意味がない…」 「ツルさんは毎日『菜皇』を飲んでるんだよ? だけどあの人は『毎日元気』…あたしはそう言ってるんだ。毎日飲んでも具合が悪くならずに、元気なままの人があたしのすぐ近くにいる。それが何よりの証明じゃないかね」 「いや、それは…飲むのをやめられなくなってるだけで……」 「まだ言うかい、この子は」 「ばあちゃんの前で、元気に見せてるだけかもしれないじゃないか。もしかしたら、オススメした人に買ってもらったらツルさんが何か得するとか…」 「いい加減にしな!」  トメは鋭い声で怒鳴る。  彼女の中にある堪忍袋の緒が、ついに切れてしまったようだ。 「ツルさんが、そんなネズミ講みたいなことするわけないだろ! それにあたしはツルさんを通してじゃなくて、自分で注文して買ったんだ! そんなに飲みたくなきゃ、お前にはもう飲ませないよ!」 「ば、ばあちゃん」 「二度とその話をするんじゃないよ! ああイライラする!」  トメはそう吐き捨てると、怒りのあまり床を踏み鳴らしながらキッチンへ歩いていった。  裕介は彼女を追うこともそれ以上説得を続けることもできず、ただ呆然とその後ろ姿を見つめている。 (な、なん…なんで……!?)     
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