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青っぽさをわずかに感じるくらいで、苦味や渋味はほとんどない。緑茶のような口当たりだった。
飲みやすいと感想を伝えると、トメは嬉しそうに微笑んだ。
その後、夜ふかし特有のだるさを体に感じながら部屋に戻った裕介は、スマートフォンで友人とだらだら話をする。
そんな中、ある噂が話題にのぼった。
”そーいや、お前んとこも買ったって言ってたな。『菜皇』”
「ああ。思ったよりうまかったよ」
”アレな、ヤバいらしいぜ”
「ヤバい、って…どうヤバいんだよ?」
”なんか兄貴は怒りながらいろいろ言ってたけど、オレにはよくわかんなかった。気になるなら調べてみろよ”
「お前から言い出してそれかよ」
”しょーがねえだろ! 法律とか成分とか、オレにはよくわかんねーんだから。けど、普段はグータラな兄貴がすげぇがんばって調べて、親に買わせないようにしたくらいだからな…デタラメってわけでもないと思うぜ”
「マジか…?」
言葉のみで判断すると、信憑性の欠片もない話である。
しかし友人の口調が真に迫っていたために、笑って聞き流すということが裕介にはできなかった。
日付が変わり、連休2日目。
その日も、裕介は夜遅くまでテレビを見ていた。
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