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ちょっと酒が入ってたんだ......
まさかあのタイミングで、家にやって来るなんて......正直ノーマークだった。
お前の親友だったっけな。あの美華って子は......
俺はお前を失い掛けてやっと目が覚めた。失っちゃいけないものが何なのかを......
だから、今言うしか無かった。取り返しがつかなくなる前に、言うしか無かった。
今、恵理の後ろには、もう一人の影が俺達の話を静かに聞いている。その者は先程から微動だに動かない。
今言わなければ、恵理は間違いなく、俺では無くその者と一緒に行ってしまうだろう。
そうなれば、もう二度と俺は恵理と会う事は無い。
だから、今言うしか無かったんだ......
一方、背後に控える影をチラチラと気にしながら、信じられない?! そんな表情を浮かべている恵理は、ストレートに問い質してきた。
「もしかして、プロポーズ?」
いきなりだ。
身体の震えは、極度の怒りから来るものなのか?
それとも、極度の喜びから来るものなのか?
その答えは恵理本人に聞いてみなければ、解らない事だ。
いずれにせよ、恵理も激しく葛藤している事だけは間違い無い。
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