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だって父さんと母さんの自慢の息子ですもの。
あなたは、私達の分まで生きて、そして、いつの日か本当に訪れる平和の中を生きて。
その為には、恨むこと憎むことをあなた自身、しないように心がけて。」
「やめてよ。
そんな別れの言葉聞きたくないよ。」
「アバン。
あなたに出会えて、母さんは本当に幸せだったわ。
これからは、これを見てたまには私を思い出してね。」
母さんは左手中指から指輪を外し、僕に託した。
「それはね、お父さんからもらった指輪。
きっとあなたの力になってくれる。」
見ると、指輪には未の文字が。
「母さん僕、、、。」
「さぁ行きなさいアバン。
早く、、、。」
次第に目を閉じ始める母さんの額に、僕は泣きながら口づけをした。
「母さん。
愛してるよ。」
「私もよ、アバ、、、。」
目を完全に閉じ、言葉は消えた。
「母さん、、、。」
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