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学校に行き、三つ目の授業、校庭で行う実技で僕だけが再試験を受けた。
「それでは、これより実技の再試験を行います。
準備はよろしいですか?」
全くと言っていいほど準備はよろしくなかったが、やるしかなかった。
僕は頷き、深呼吸をする。
その時、同じクラスの生徒が僕を冷やかしてきた。
「あー、もうこの程度のレベルの魔法まだ出来ないのかよ。
赤ん坊じゃあるまいし、皆の授業の時間返して欲しいよな。」
そんな冷やかし程度で、僕は動じなかった。
「ほんとほんと。もう、さっさと留年するなり、退学しろよな。」
それでも動じることなく、意識を高めた。
しかし、次の言葉に僕の心は乱され、そして、怒りで満ちた。
「あいつの親父って、戦争で死んだらしいんだけど、魔法は戦争で使わないで~とか言ってたらしいぜ。
そんなこと言ってたから死んだんじゃないの。」
その言葉には、さすがにクチル先生も咎めるように、
「いい加減その口を閉ざしなさい。」
と言い、魔法でその生徒の口を無理矢理閉ざした。
そして、
「アバン君すみませんでしたね、それでは魔法を今一度どうぞ。」
と言ってきた。
しかし、先生の前には僕がおらず、周りを見渡した。
その時一人の生徒が、
「先生、アバン君は上にいます。」
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