実技試験

7/7

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
と言い、指をさした先には、クチル先生の近くに生えていた、建物の三階か四階ほどの高さに匹敵する木のてっぺんに僕がいた。 僕が、恐る恐る木を降りていくと、 「アバン君、どうやってあんな高いところまで一瞬で行けたのかね。」 と、先生が驚いた顔で聞いてきた。 「いえ、それが僕もよく分からないんですが、魔法を唱え気づいたら木の上にいました。」 「なんと、魔法であそこまで。 そうですか、実際私はその瞬間を見ていませんでしたが、魔法でなければあの一瞬であんな高い所まで登ることは出来ません。 よって、アバン君の魔法実技は成功したと見なし、ここに実技試験合格とします。」 僕は先生の合格と言ってくれた言葉に嬉しさを感じつつも、自分でもよく分からなかった魔法の成功に、疑問が残ったのである。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加