違う灯りと同じ意味の灯り…

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ

違う灯りと同じ意味の灯り…

自然の灯りがフワフワと、 田圃の上を舞って居た、 幼く懐かしい暑い頃。 背伸びしても、 跳びついても、 捕まえる事が出来ずに、 ただ眺めるだけの、 優しい灯りだった。 背丈も大人になった時、 その風景は幻に、 灯りが育つ場所も消え、 失って居た自然の灯り。 土から整地に代わった道を、 仕事で疲れた路地裏で、 凍てつく空の星見上げる。 冷たい無数の灯りに見下ろされ、 家までの道のりには、 屋根のある窓灯り。 賑やかな笑い声と、 安心した血縁同士が、 寛いでいる優しい灯り。 遅い木枯らしつむじ風、 幼き自然の灯りの頃と、 冷たい夜道の大人の自分が、 感じた同じ灯りの寒蛍たち。 家に着くと、 手足は冷たく肩すぼめ、 家路最中に見た景色、 心に少し気がつけば、 我が身中に、 温もりの蛍舞う…
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!