第2章 腐れ縁

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正直、この歳にもなると新しく友達が増えることは少ない。かといって昔の同級生の中で連絡を取り続けている奴も多くはない。多くても一年に1、2回。どの友達ともそれが限度だった。ただ一人こいつを除いては。 彼がドリンクバーのおかわりに立とうとした時、彼の足首に包帯が巻かれているのに気がついた。 「おい、足、なにしたんだよ?」 「いやーちょっと駅の階段で転けそうになってバランス崩したときにひねっちゃってねえ」 「なにしてんだよ、あほか。 いいよ持ってくるよ。コーラ氷2個でいいな?」 「きゃー、さっすが颯ちゃん!わかってるう」 我ながら、さして興味のない相手の嗜好まで覚えているとは大したものだ。 ストローを手に取りテーブルに戻ろうとしたときだった。 「あれ、橘君?」 ふいに声をかけてきたのは職場の事務員さんだった。 「え、熊井さん?お疲れさまです。」 「やだ、恥ずかし。こんなところでなにしてんの(笑)」 「すぐ帰ろうと思ったんですけど、友達に捕まっちゃって」 「え?ちょっと待って!!友達ってあの人?!」 戻ろうとした席へ先に彼女が駆け寄る。 「えー!この間は有り難うございました。お怪我本当に大丈夫でしたか?」 「いえこんなん大したことありませんから。」 「あ、よかったら私これ払いますよ。この間のお礼です。ちょっと待っててください。」 彼女はテーブルの伝票を奪うとレジへと向かっていった。 「「え、知り合い?」」     
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