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ミオが突然消えてから一年。
俺はすっかりミオの事を忘れていた。
「ただいま~」
今では返ってこない挨拶が当たり前で食事だって俺の分だけ。
最近は仕事も上手くいっているしそれに…
ピロン♪
無音の部屋に突然メールの受信を知らせる電子音が響いた。
光る画面を見ると実夏の文字。
そう彼女ができた。
会社の取引先の秘書の子で不思議な子だけど超面白いし、可愛い。
猫が好きで料理が上手い。
そしてあるお笑い番組が大好きで毎週俺の部屋のテレビで録画して見に来る。
そして今日はその番組がやる木曜日。
家に帰ると彼女がソファーに座りお笑い番組の前にやっていたのか、兄弟のドキュメンタリーを見ていた。
俺が隣に座るといつもより静かな実夏が口を開いた。
「私妹がいたんだよね…今はお空の上だけど」
「そうなんだ」
「それでね…あの…」
「無理して言わなくていいよ」
「ううん。実桜がいつかお姉ちゃんに彼氏ができたらよろしくって言ってたから」
「え?…ミオ?」
「うん。妹の名前だけど?どうかした?」
「え、あ…いや何でもない。」
「そう?あ、このポテチ食べていい?」
「どうぞ~」
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