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父上が先導し廊下を歩くこと約3分、そろそろ部屋に着きそうだ。
シュラスさんによれば会場になる部屋は一階のゲストルームらしいので、もうそろそろ到着すると思う。
「もう少しで着くようですよ?」
これくらいなら別に構わない、よね?
多分。
「あらそうなのですの?ふふっ……まるでエスコートされているみたいですわね」
そう言って彼女はふわりと頬を緩めた
「ふぇっ!?」
予想外の単語に思わず頬に熱が集まる
そういうつもりで言ったわけではないために動揺してしまった!
でも、
静かに笑う彼女を見ていたら……
それでも良いかな、って思えてきたかな
「こちらになります、中へどうぞ」
父が立ち止まり扉を開いてにこやかに言う。
しかし父のことだからマシュキュリングさん、王女さまに向けてしか言っていないはずだ。
よしっ!
「お手をどうぞ……少々段差がありますので気をつけてくださいね?」
マシュキュリングさんより一歩前に陣取り、手を差し伸べてみる。
彼女は私の手を取ると微笑んだ
「あら、ありがとう」
そう言うと私の誘導に従って部屋へと入る。
さっきから父が睨んできているけれども、気にしない。いつものことだしね
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