10人が本棚に入れています
本棚に追加
「ところで」
ふと気になったことがある
「ニシンさんはその……いいの?私と婚約とか、政略結婚みたいな空気あるけどさ」
貴族王族なので当たり前ではあるが、この世界の貴族王族は割と子供すら家の為に使う人が多いらしいのだ
私が問いかけるとニシン王女は
ああ、そんなこと?と前置きし
「別に気にしてないし政略結婚とか自分が王女だって知った時から覚悟してたからね、俺は大丈夫」
そう言ってのけた。
そっか、
「それなら良かった。これからよろしくね」
「こちらこそよろしく」
はにかんで手を差し出し、互いに握手を交わす
他の人がいるところでは恐らく、こういう接し方は出来ないのであろう。
理解はしている
何かあって不利益を被るのは私だけではない、父上だけではないのだ。
……十二分に気をつけることとしよう。
一通り話を終えたからか音が静まった、部屋に静寂が訪れたのだろう。
そういえば、もうそろそろ妹が帰ってくる頃だろうか……
「ちょっとシュラスさん呼んでくるね?」
話も終わったことだし、シュラスさんを部屋に呼ぼう。
そのついでに妹を迎えれば良いだろうし
そう考えると私は扉に手を掛け部屋を出るのだった。
最初のコメントを投稿しよう!