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戻ろう。
長い廊下をひたすら歩く、ろくに見てもいない調度品と良く清掃の行き届いた空間が続いている真っ直ぐな廊下。
すると、ぱたぱたと足音と思わしき音が聞こえてきた。
「お兄さまっ!」
とても愛らしい声がした。
「リエラっ!」
金髪の長い髪を靡かせ私へと駆け寄る小さな女の子は、
レイエルドルファ・ウィンヴァッテン・ザード。
つまるところ、私の妹であった。
「おかえりリエラ、でも廊下で走るのは危ないから駄目だよ?」
「ごめんなさい……お兄さまに会いたくて、つい。」
そう言ってしょぼん、と落ち込む様子をみせる。
本当に可愛い妹だ……
つい先ほどのやさぐれた私の心に癒しを与えてくれるね、効き目が半端じゃないようだ
「いいよ、次から気を付けようね?」
「……はいっ!」
おめめを輝かせては笑顔になる我が妹リエラ……
正直に言おう。
かわいい(確信)
「ところで、やけに早い帰りだね?友達と遊んでくるから遅くなるって言ってた気がするんだけど……」
「さいしょはそのつもりだったんだけど、今日はお天気があやしいからって皆と話し合って解散することにしたのですっ!」
そっかあ……
「えへへっ!」
ふと気がつくと私はリエラの頭を撫でていた……
無意識ってこわいね。
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