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ギラッ、と榊の目が光った。
「アチラに接触する機会なんて、滅多にないんだよ! こんな素晴らしい体験、できるだけスゴイじゃないか!」
拳を作って立ち上がった部長を、部員達は失笑して見た。
「お言葉ですけど、部長。オレの場合、滅多では無いんですけど…」
「良いなぁ、九曜クンは。アチラが向こうから近付いてくるんだもんなぁ」
心底羨ましそうに言った榊に、九曜は絶句した。
「依琉クンは<視>えるし、神無月クンは<言霊>が使えるし、雛クンは爆発的な<力>が使えるしー。オカ研で僕だけだもんなぁ。特別な力が無いの」
「部長は……その知識だけで十分ですよ」
依琉が慰めるように言った言葉に、榊はジト目になった。
「どーせ僕は知識のみだよ。うんちくだけだよ」
「私達よりも頭良いのは、十分に特殊能力と言えますよ。実際ヤバイところから有名なところまで、いろいろなところから声をかけられているクセに……」
「それは僕の知能が欲しいだけ。欲望というか、野望むき出しでこられてもねぇ」
四人は互いに顔を見合わせた。
自分達が持っている特殊能力よりも、知能が欲しいと心底思い、深く息を吐いた。
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