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「まっ、それは置いといて」
一早く榊は立ち直り、イスに座りなおした。
「学院長達からはいつものように、言われている。『失敗は許されない』とね」
「ハッ……」
依琉はバカにしたように笑い飛ばした。
「よく言いますね。ボク等がいなければ、今日の状況を何にもできないクセに」
「やめなさいよ、依琉。……言っても仕方無いことでしょう?」
「そうだよ。それを分かっていて、キミはここに入学したんだろう? 文句は言いっこ無しだよ」
神無月と榊に厳しく言われ、依琉は口を噤んだ。
「まっまあまあ! それはともかくぅ、今日さえ乗り越えれば、後は部活動は無いんだから、ねっ!」
「そっそうですよ。今夜一晩の辛抱じゃないですか、依琉先輩。耐えましょうよ」
「……雛と九曜くんに言われるとは、ね。分かってるよ。もう文句は言わない」
諦めた顔で、依琉は両手を上げた。
榊はため息をつき、部員達の顔を見回した。
「キミ達が渋るのもよく分かる。学院はキミ達の力を利用しているに過ぎないからね。でも今日の活動をしなければ、力の無い生徒達が被害に合ってしまうんだ。それを防ぐ為の部の活動――どうか了承してほしい」
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