放課後、部活の始まり

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放課後、部活の始まり

キーンコーンカーンコーン…… 学校の鐘が鳴る。放課後を告げる鐘の音が。 この学校には本物の鐘があり、毎日事務員の人が時間になるとわざわざ鳴らす。 「ご苦労なことで……」 教室の中が開放感に満ちる中、和の美少女・神無月は憂いた表情で呟いた。 色白の顔が青白く見えるほど、憂いている。 「はぁ~」   カバンを手に持ち、ノロノロと立ち上がる。 そこで教室がふと騒ぎ出したことに気付いた。 「やあ、神無月。一緒に部活に行こう」 爽やかさ満点で現れた依琉。 だが『部活』の一言で、彼の周りにクラスメート達はズササッと後ずさった。 「うっ……」 神無月は硬直した。 会いたくもなければ見たくもない人物が、教室の扉の前で自分を待っている。 「今日は特別な日だからね。迎えに来たよ」 途端にクラスメート達はボソボソと話始めた。 ―オカ部の……― ―例のウワサ……― ―先生達も公認で……― その様子を見て、神無月から血の気が引いていった。 が、拳を握り締めると、駆け寄り依琉の手を引いて教室から飛び出した。 そして人気の無い階段の裏へ回ると、その手を勢い良く離した。 「何の恨みがあるのよ! 依琉っ!」 「恨み、とはヒドイなぁ。ボクは迎えに行っただけじゃないか」
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