放課後、部活の始まり

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「まっ、雛みたいなバレ方じゃないだけ、マシだろう?」 「雛にとっては何のダメージにもなっていないわよ。そもそも部のことだって、悲観していないんだから」 「確かにね。彼女にとってはどーでも良いことの一つだろうし」 そう言って笑みを浮かべる依琉を、神無月は複雑な表情で見つめた。 「……それも<視>えたの?」 「何でもかんでも<視>えるワケじゃないよ。雛の場合、<視>なくても分かるだろう? あの態度で」 「まっまあね。あのコは自分の能力に何のコンプレックスも持ってないから」 「けどそれは天性のものだと思うよ。彼女は人間として感情がある程度、欠落しているだろ?」 不意に声を落とし、依琉は真剣な表情になった。 「だから能力のことも何とも思わない……いや、思えない。感情も持てないものには、興味も持てないのと一緒さ」 「でも……感情の欠落は育ち方によるんじゃないの?」 「そうでもないよ。だって雛は元々生まれついてのお嬢様だ。何の不自由もなく、そして愛されて生きてきた。なのに感情の欠落がある。――それは残念ながら、彼女がそういう存在として生まれてしまったということだよ」 「……それは能力に関係無く?」
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