2人が本棚に入れています
本棚に追加
女の子はムッとした顔をして、「ひどい、昨日本屋で私のスカートの中覗いておいて、忘れたってわけ?」と言う。
しかし、亮には全く身に覚えはなく、覚えているのは本を拾ってあげたことだけだった。
「いや、覗いてないって。
確かに君とは昨日会ったけど、落とした本を拾ってあげただけで、他に何もしてないだろ。」
亮の放った言葉に、女の子は深くうなずいた。
「そう、それよ、その時!
あの本をしゃがんで拾って渡してくれた時、私を見上げる目線がスカートの中だったでしょ!」
亮はそう言われ唖然とした。
「君ね、僕が君なんかのスカート中を覗くわけないでしょ。
断じて覗いていません。」
ときっぱりと亮が言うと。
「ひどい、君なんかのって言い方ないんじゃない?
あなたには私がどう見えてるか分からないけど、私すっごくモテるんだからね。
私のスカートの中が気になる男子も沢山いるんだから。」
そう話した内容は、この子頭が変なんじゃないかというものであったが、確かにモテそうな雰囲気であった。
「そんなこと言われても僕は分からないよ。
とにかく、僕は決して覗いていないから。」
亮はそう告げると、少し迷いながら教室へ戻り席に着く。
最初のコメントを投稿しよう!