偶然の産物

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女の子はムッとした顔をして、「ひどい、昨日本屋で私のスカートの中覗いておいて、忘れたってわけ?」と言う。 しかし、亮には全く身に覚えはなく、覚えているのは本を拾ってあげたことだけだった。 「いや、覗いてないって。 確かに君とは昨日会ったけど、落とした本を拾ってあげただけで、他に何もしてないだろ。」 亮の放った言葉に、女の子は深くうなずいた。 「そう、それよ、その時! あの本をしゃがんで拾って渡してくれた時、私を見上げる目線がスカートの中だったでしょ!」 亮はそう言われ唖然とした。 「君ね、僕が君なんかのスカート中を覗くわけないでしょ。 断じて覗いていません。」 ときっぱりと亮が言うと。 「ひどい、君なんかのって言い方ないんじゃない? あなたには私がどう見えてるか分からないけど、私すっごくモテるんだからね。 私のスカートの中が気になる男子も沢山いるんだから。」 そう話した内容は、この子頭が変なんじゃないかというものであったが、確かにモテそうな雰囲気であった。 「そんなこと言われても僕は分からないよ。 とにかく、僕は決して覗いていないから。」 亮はそう告げると、少し迷いながら教室へ戻り席に着く。     
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