一年一組

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次は光の番であったが、光は一歩前に出る前にわざと亮の足を踏んだ。 「あら、ごめんあそばせ。」 これまたわざと光はお嬢様のような口ぶりで亮に謝った。 けれど亮も光に対しわざと知らん顔をした。 これから自分が平穏な高校生活を送るには、今後極力光るとは関わらないことが肝心だと思ったからだ。 光はそんな亮にフンといった様子で、自己紹介を始めた。 「私は田辺光です! 好きなことはお話することや、買い物とか、他にも色々あります。 嫌いな物と言うか、嫌いなことは嘘をつくことです!」 嘘に関して光は、亮を見ずともその言葉は完全に亮に向けられた言葉であった。 亮もそのことには気づいていた。 しかし、光の言う嘘とは亮がスカートの中を覗いたにも関わらず見ていないと言う主張であった。 ただ、亮にとってはそんな事実はなく、嘘ではないためにどうとでも言えばいいと思った。 少し思うところがあるならば、それは自分を作家であると言わない偽りであった。 光るも紹介を終え一歩下がる。 亮はまた踏まれないよう足に気を配っていたが、皆の前もあり、光るもそこまで露骨することはなかった。 二人が席に戻ると、木村先生は高校生活におけるオリエンテーションを始めた。 それが終わると次は校内の案内をされ、この日はそれで終わった。     
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