一年一組

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「はい、じゃー今日はここまで。 明日から少しずつ本格的な授業も始まるから、忘れ物の無いように。 皆、気をつけて帰ってね。 それと、寄り道なんかして帰らないよう! それでは、さようなら。」 木村先生が話し終わると皆バラバラと立ち上がり、すぐに帰る者や、友達になった者同士話している者、色んな姿が見えた。 光は自らがモテると語っていたように、既に何人かの男子に囲まれてチヤホヤされていた。 そんな光には目もくれず、亮は教室から出た。 少しでもあの教室にいれば、後ろの男子にまた問い詰められそうであり、光るともすぐに離れたかったためだ。 教室を出ると、木村先生が声をかけてきた。 「ちょっと、職員室まで来てくれる?」 亮は言われるがまま木村先生について職員室に向かう。 木村先生は席に着くと、こちらを見て、 「で? 朝のホームルームでの自己紹介が、あなたの答えでいいのね?」 と亮に言った。 「はい、やっぱり僕は普通の高校生生活を送りたいんです。 先生は、隠していてもいつかは作家であることはバレと思うと言っていましたが、それならそれでしょうがないと思います。 でも、それを自分の口では言いたくないです。 だから、作家であることを言わないのが、ぼくの答えです。」     
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