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「それと、主人公の一馬と先生のキャラは皆似ているのだろうと思ってますので、なるべくその点を気をつけて接してくださいね。」
「いや、それは勝手にみんながイメージしてるだけで、僕が気をつけることですか。」
そんな偽りの姿なんてすぐにバレてしまうだろうと思い本音を言った。
「イメージってのは大事なんです。
特に始めは。
それが本の売り上げにも、後々響いてくるんですから。」
担当なだけに、やはり売り上げは気になる佐々木である。
「まぁー、そこまで言うなら佐々木さんのためにもなるべく頑張りますが、高校生活では無理ですよ。」
佐々木は亮に何か言いかけたが、確かにそこまでさせるのは可哀想だと思ったのか、それ以上は何も言わなかった。
会場に着いたのは開始三十分前だった。
既にサイン会前には列が出来ており、もう百人集まっているのではないかと思う程である。
亮は別室に通され、書店の店長と軽く挨拶をすると開始時間を待った。
まだ少し時間があったため、亮はトイレに行っておくことにした。
佐々木にトイレに行くことを一言告げ、辺りを見回す。
どこにあるのかを聞き忘れたが、ありそうな方向に行き扉を開けてみた。
すると、扉の外は店内であった。
最近は引っ越しやらなんやらで、本屋に行くことが出来ていなかった亮は、トイレに行くことを忘れ少し店内を歩いてみた。
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