2.親から卒業

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  「ダディ、マム。明日着る予定の服を見せて」 「え……」 「え、じゃないでしょ、マム。ほら、出して見せて」 「あのね、うんと質素にしたのよ。本当よ、花が怒るようなこと、するつもり無いから」 「なら見せてよ。チェックするまで寝ないからね」  父も母も恐る恐るトランクから服を出した。 「作ったんだ。明日のために」 「私もよ。別々に作ったから乱れたリズムになっているけれど、それは許して欲しいの」  腕組みをしている花の前で二人とも服を広げた。 「ダディ、却下」 「なぜ!」 「マム、却下」 「そんな!」  悲痛な顔をする二人は泣かんばかりに手もみして息子に訴える。 「さっきも言ったけれど一緒に揃えなかったからいけなかったのね。ごめんなさい。でも今はこれしか……」 「そういう問題じゃないんだよ。ダディ、普通のお父さんはこんな……あずき色っていうの?」 「日本語で言えばエンジ色だよ」 「そういう色は着ないんだよ。マム、白いって言うのはいいんだけどね、こんなに胸と背中が開いちゃダメ。ダンスパーティーじゃないんだから」 「でも!」 「いいよ、一緒にクローゼットに行ってみよう。来ちゃダメって言わないから俺がこれっていうのを着てよ。いいね?」   
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