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「あれだよね」
ちほちゃんの視線の先には、未だにさえちゃんのために手向けられた花束があった。僕は5つの折り鶴をそっと置いた。
「さえちゃんごめんなさい」
ちほちゃんはしゃがんで、手を合わせながらそう言った。僕もそれに習って手を合わせた。
全ては僕がまいた種。僕のせいでみんな死んでしまった。悔やんでも悔やみきれなかった。
しばらくの間手を合わせていたちほちゃんは、ゆっくりと目を開けて遠くを見つめている。
「帰ろう、ケンちゃん。きっともう大丈夫よ」
「うん」
立ち上がった瞬間、自然と笑が漏れる。僕は少しだけ救われたような気がした。
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