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「深山!」 「あ、何だよ」 チャイムが鳴ったと同時に俺の目の前に来たのは、ダチの結城。 血相を変えたような顔色に小首を傾げて様子を伺う。 「お前、この前矢神と喧嘩したんだって?」 「…誰、矢神って」 叫び出すから何かと思えば、謎の名前。 問い返せば奇声が上げられて、余りの気持ち悪さに体がのけぞる。 「てめぇが喧嘩した相手くらい覚えてろ!」 「…知らねぇもん」 「一昨日・裏庭で・起こったことを・思い出せ!」 「一昨日?」 急かすような口振りに頭の中の引き出しを開けて記憶を引っ張りだす。 あぁ、あの日は確か、裏庭で修羅場迎えているカップル?に遭遇して、その女がダチ…ではないけど知り合いで無理矢理巻き込まれたんだっけ? …でもどこに喧嘩の要素があったのだろう。 結構始終穏やかムードで終わっていたと思うけど。
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