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「…?」
「ちょ、お前の記憶力大丈夫?」
「うるさい。思い出したよ。あいつが八神って奴なんだ?」
「え、やっぱりまじボケ?有名人じゃん、八神」
「知らん」
大袈裟な程リアクションをくれる結城には悪いが、俺の人名辞書にはそんな名前、記載されていない。
クラスの半分すらまだ覚えていないのだ。
他クラスなんて不可能に近い。
「まぁお前が他人に無関心なのは今に始まったことじゃねぇけど…」
「なら善いじゃん」
ぶつぶつ、文句を云う結城をシャットダウンするため、これ見よがしに机に伏せる。
次いで寝る体勢に入れば、結城は何も云わない。…まぁ根が優しい奴だからね。
溜め息が大きく聞こえて、前の席の引かれる音に結城がそこに座ったことを知る。
だけど特に声を掛けられる事もなく、本気で寝に入ろうと、した時だった。
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