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「深山?」 聞きなれない声と、同時に上がる女子の歓声。 …俺の名前が呼ばれたような気がするんだけど。何か視線をやけに感じるんですけど。 見られている感覚からか、背中がやけにむずむずする。気持ち悪い。 シカトをしようと更に意識を飛ばすのに、それを許してくれる奴ではないらしく。 「深山。顔上げてよ」 「……」 「おい、深山。一応顔くらい上げろって」 「………なに」 シカトを決め込む俺に痺れを切らしたのだろう結城がそっと声を掛けてくる。 仕方なしに顔を上げれば、やけに整った顔。 明るすぎやしないかと問いたくなるようなハニーブラウンの髪の毛がやけに似合う。 「俺のこと、分かる?」 「…だれ」 王子様スマイル(寒)を俺に向けて、王子はそう問いかけた。 寝ている最中に起こされたことで俺の不機嫌はマックス。(寝不足なんだから仕方ない) むすっとした口調で答えれば、途端声を上げて笑う王子と、女子から向けられる殺気の篭った目。 全くもってわけがわからない。 頭の上に疑問符を浮かべていれば、結城に思いっきり頭を叩かれた。
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