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「だってあいつ、僕のリナちゃんとったんだもん!」 「はぁ?今付き合ってんじゃん」 「付き合う直前に一回とられたの!マジムカつくっ!」 そう云って、苛々してるのか、拳を思いっきり壁に叩き付けた。 ダン!っいう音に、思わずひきつる。 その外見とは裏腹、幼少の頃から柔道やってた千の力は強い。物凄く。 「そういやそんなことで騒いでたな」 「そうだっけ?」 「深山は興味なさすぎ」 苦笑いな結城に小首を傾れば、ぽん、と頭に手を置かれる。 尚も千はきーきーうめいている。 「ほら、早くしないと授業始まる。あの先公うるせぇんだから」 「わかってる!」 勇気の呆れた声に千は過剰に反応して、深呼吸してる。 そうして、ころりと表情を変えた。 これを見る度に、いつもこいつのこれに感服するのだ。 勿論善い意味じゃなく(笑) 「みやまもいこー。その為に迎えに来たんだから!」 「はいはい」 そう云ってぐいぐいと手を引かれる。 暗に「俺がわざわざ迎えにきてあげたのに行かないなんてことはないだろうね?」と告げている千に苦笑しながら。
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