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「鶴ちゃーん、来たよー」 準備室のドアを無遠慮に開き、中に向かって声を掛ける。 先ほどSHRも終わり、結城と千に見送られ、長い長い廊下を歩いてやってきた。 担任の鶴ちゃんが「忘れるなよ」って俺に声を掛けてたから、もう居るのかなって思ってたけど、どうやらまだ来てないらしい。 しょうがないから、椅子に座って鶴ちゃんを待つことにした。 窓際に椅子を寄せてぼんやりと外を眺める。 陽はまだ高く、青空の下で野球部やサッカー部が部活動をしているのが見えた。 「青春…」 「お前も青春してるだろ」 ぽつりと呟いた一言に突っ込みが入り、吃驚して振り返った。 にやにやした鶴ちゃんの顔。 覗き見しないでくださいよ、と口の中で云えば鶴ちゃんは肩をすくませた。 「ちょっとプリントの整理手伝ってくれ」 「プリント?」 「ホッチキスでパチンと」 手招いてこっちにこいと云われる。 大人しくそれに従い、机の前に行くと、…大量のプリントたち。 「鶴屋先生、これ無理ですよ」 「大丈夫、助っ人くるから!」 俺が漏らした不満の声に、鶴ちゃんは三十路前とは思えない爽やかな笑顔でそう答えた。
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