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「…まぁ結城には関わるなって云われたけどな、」 「あぁ、やっぱり?」 俺の言葉に笑って、まぁ男友達なんていらないんだけどね、とそう云う。 「何だそれ、」 「オンナトモダチはたくさんいるからね」 「はは、」 俺の呆れた口調にウインクでそう返してくるから、思わず笑ってしまった。 男のウインクなんて寒いだけだけど、顔の善い奴がやると妙に似合うから不思議だ。 パチン、と音が響く。 それからは当たり障りない会話をして、黙々と作業を進めて行った。 テレビの話、芸能人の話、学校の話、本当にそこら辺で転がっているような話題だけど、矢神は始終笑顔を絶やさなかった。 だから俺も自然と釣られて笑みが零れる。 結城や千とはまた違う雰囲気が、どこか心地善い。
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