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パチン、と最後の一つをホッチキスで留める。
ザッと100部。物凄く頑張ったと思う。
単調な作業だけど、意外としんどかった。
窓の外はすっかり陽が沈んで、辺り一面オレンジに包まれている。
ほんわか暖かい雰囲気で、それを助長するように矢神が微笑んだ。
「これ、鶴先生に渡してこようか」
「うん、なんか奢ってもらわないと割に合わないな」
よいしょ、とプリントの山を持ち上げて、ドアの所で待つ矢神の後を追う。
鶴ちゃんは職員会議が終わると一度準備室に顔を出しにきて、それから職員室で仕事するということを伝えにきた。
見事に俺たちに雑用を押し付けて。
教員っていうのも大変だなぁと他人事に考えていたのを覚えている。
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