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矢神はその女たらしたる所以通り、リードするのが上手かった。
何をするにも、俺に気をつかわせる暇を与えず、そしてそれが気にかかるわけでもない。
ただただ、底抜けに甘いのだ。
元々、気を許していたのだろう俺には甘かったところもあったのだけど、今日のこれはいつも以上だった。
かといって男女の恋仲みたいな雰囲気はなく、友情が先立っていたけど。
云うなれば、兄弟に近い情かもしれない。
甘やかすのも甘やかされるのも、当たり前であるかのような雰囲気。
心地善さすら感じてしまう。
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