170人が本棚に入れています
本棚に追加
「もー、反応薄いよっ」
「…矢神、俺、買わないからな」
反応の薄い俺に矢神の非難の声が飛ぶ。
訂正するど買えない、とも云う。
高校生で、特にバイトなんてしてない俺なんかに、一気に服を揃えられたところで買えるはずなんて到底ない。
ひくつく口元を感じながら、そう言葉を発する俺を、矢神はきょとんとした表情で見て、俺の言葉の行き着く先を知ると途端にげらげらと笑い出した。
「分かってるよ、俺が勝手にやってんだもん」
「な…っ、店の人に悪いだろ!」
「ダイジョブ。兄貴の店だし」
「…は?」
すぐ傍に店員さんが居ると云うのに!
言葉を早めた俺に、矢神はお得意のスマイルを向けた。
…いやいや。それって余計に駄目なんじゃないのか。
最初のコメントを投稿しよう!