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紆余曲折はあったものの姐さんは我が家の子として受け入れられた。
うちには既にタビと言うデカイ雄猫がいて、こやつも他所からもらわれて来た。
その前がチビルちゃん、その前の前がトム君、赤猫の記憶で一番古いのはニケである。
余談ではあるがニケは国芳が描いた浮世絵に出てくる猫又みたいな雰囲気の猫であった。
彼ら昭和の猫は、ある意味筋金が入っていて、簡単にはニンゲンに心を許さず何だか見えない壁のような隔たりを感じたものだ。
もっともこの傾向は古い猫ほどに感じられ、時代が平成に近くなるにつれ薄れて行ったが。
因みに昭和と平成を股にかけて生きたタビなどは一年365日、女の事しか考えていない色ボケであった。
だがやはり家の外では百戦錬磨の強い雄猫でもあったのだ。
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