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ハイドアウトを追い出された男三人は夜の通りを歩いていた。
「なんだよあいつら。仕方ねぇ。俺たちも飯でも食いに行くか」
ジャンが不貞腐れて言うと、ロニーも同意した。
「そうだね。グロスターのお店に行こうか」
エタンダールも頷いた。
グロスターのお店『デリシャス・ケルン』は比較的空いていた。時計を見れば午後八時。夕食時のピークは過ぎたようだった。店の奥にいたグロスターは三人の姿を見ると厨房から出て来た。
「どうしたの。男三人で。ウィルマ達は一緒じゃないの」
「女どもに追い出された」
不服そうなジャンに「そういう事」とロニーが付け加える。
「女子会だってさ」
エタンダールがぶっきらぼうに言った。
「まぁ、ゆっくりして行きなよ」
慰めるようにグロスターが奥のテーブル席に三人を案内した。
「それで、ジョシカイってなんだよ」
席に着いたジャンがロニーを見る。
「さぁ」
ロニーも首をかしげる。
「おい、あんたらそんなことも知らないのか?」
「エタンダール、お前は知っているのか?」
二人は驚いた顔でエタンダールを見た。
「『女子会』って女だけで飯を食うんだ。それで女同士でしかできない話をするんだろ」
エタンダールがそう答えるとジャンがにやりと笑った。
「女同士でしかできない話なぁ。知っていたら盗聴器仕掛けて来たのに」
「それは見つかるとあとが怖いよ」
ロニーが肩を竦める。
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