アタック

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 なにが、違った?なにか、変わった?  なんだかんだでずっと笑える日常が続いていくと思っていた。でも、そんなの無理なのかもしれない。  昨日見た月だって少しずつ地球から離れていってる。ホントはいつまでも“同じ”じゃいられないんだよね? 漠然とした不安を取り去るように笑顔で、 「お待たせしました」  と、小野原に声をかける。 小野原の背後には長く続く細い廊下。そこには長い足の陰影。CMのワンシーンみたいだ。  ホントにただの公務員ならどこの窓口にいるんだろ?でも戸籍課にだけは配置しちゃダメだろう、市役所離婚が増える。 「月島さん怒ってました?」  小野原から差し出されたキャラメルの飴を素直に受け取る。 「月島ですか?いいえ」  あれ?そもそも、 「どうして定期連絡のことをご存知なんですか?」  不調中の相手との面談は定期的に連絡を入れる決まりがあるが、小野原はなぜそれを知っているのか? 「そういうものでしょ?ですよね?違いました?」  ですけど…?  小野原が微笑む。面倒な質問には蓋をするこの笑顔。あぁ、これが嘘つくときの顔か。  嘘の尻尾を密かに、でもしっかりと捕まえる。
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