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結局花と会うこともできずに、大学生になった。
大学生の間もずっと、花のことで頭がいっぱいだった。
俺が、あの時ずっとそばにいてやれば。
どうして俺は家まで送ったら大丈夫だと勝手に思ったんだ。
後悔ばかり押し寄せてきて、ぎゅっと手に力が入る。せめて安全を確認したい。
そう思っていたある日のこと。
全く気が乗らないのに友達に遊びに誘われ、カラオケやボーリングをした帰りに。
「次はどこに行くか!よし、雄大っ!お前が決めろ……雄大?」
ハイテンションに話しかけられたが、それどころじゃなかった。
息をするのが苦しくなる。
俺がずっと探し求めていた姿が、確かに視界に映った。
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