歪んだ黒

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「雄大!」 雄大のいる病室を勢いよく開ける。 個室のため、中に雄大一人しかいない。 雄大は起きていて、私の方を驚いたように見つめてきた。 だけど驚いたのは私の方だ。 だって雄大は…目をそらしたくなるほど、傷だらけだったからだ。 「雄大、その怪我…」 「ああ、なんかさ。昨日夜にバイク乗った悪そうな男集団に絡まれてこうなった」 拉致られなかっただけマシだよな、と言って笑う雄大だけど笑い事じゃない。 「なんで…?何か悪いことでもした…? 雄大は何もしていないのにどうして?」 「花、落ち着け。 俺は平気だから、こんな怪我すぐに治す」 一週間は安静のため入院らしいけど、一週間ってことはただの怪我ではないと思う。 「泣くなよ」 「だって…」 「なんかわかんねぇけどさ、なるべく夜道は歩くなよ?俺の彼女ってだけでもしかしたら狙われるかもしれないから」 真剣な表情をする雄大に、私はただ頷くことしかできなかった。
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