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嫌だ、これ以上駿輔の言葉を聞くのは怖い。
お願い助けて、雄大…!
「ねぇ、僕のところへ戻っておいで?
これで断ったらどうなるかなんて、わかってるよね?」
ゾッとするほど静かな声音。
ビクッと肩が震えた。
どうすればいいのかわからないけど、これで断ってしまえば雄大が…またさらにひどい目に遭ってしまう。
じゃあ私の選択は一つしかない。
だけどその言葉を口にしたくなくて、ぎゅっと目を閉じたその時。
「おい、待てよ」
今聞こえるはずのない声が後ろからした。
それは大好きな人の声で。
どうして?
だって彼は…雄大は、今病院にいるはずなのに。
ふっと駿輔の力が緩んだのがわかり、恐る恐る後ろを振り向けば、包帯を巻かれた痛々しい雄大な姿があった。
雄大は駿輔を睨んでいる。
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