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急な転校だと先生は話していたけど、明らかに不自然だった。
まずこの受験シーズンに転校はおかしい。
それに俺が男集団に絡まれて怪我を負い、花の元彼に会った次の日から花は学校に来なくなったのだ。
必ず、何かあると。
花の元彼が、何かしたのだと。
不安で仕方なかった。
花が危険な目に遭ってるんじゃないかって。
だけど花の家に行けば『花のことは諦めてくれ、留学することにしたんだ』とバレバレな嘘を花の父親につかれ、それ以来会うことすら叶っていない。
花の両親は暗い表情だったから、きっと何かがあるはずだ。おかしいのに。
「……くそっ…」
どうして俺は、こんなにも無力なんだ。
守ると誓ったのに。必ず守ると決めたのに。
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