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「花?お前何言って…」
「嫌だ!来ないでって言ってるでしょ!?」
その目が怯えたものに変わり、小さく震えだす。
花に、何があったんだ?
戸惑いながらも花に近づけば、さらに大きな声を出す花。
「助けて駿輔…!」
それは助けを求める声で。
しかも駿輔って、元彼の名前だった。
「花、どうしたの?」
そしたら近くで、花の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
声のした方を向けば、薄ら笑いを浮かべた花の元彼の姿があった。
なんで元彼がここに?
頭での理解が追い付かないでいると、花が元彼の元へと駆け寄りぎゅっと腕に絡みついた。
側から見れば、俺が悪者だ。
「ねぇ、僕の花を怖がらせないでくれるかな?
君のせいで震えてる」
「あんなのせいで…駿輔を傷つけた……あんたさえいなければ…」
花の目には憎しみが込められている。
立場が逆転するだなんて明らかにおかしかった。
考えるのは、たったひとつ。
それは、“洗脳”
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