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ぼくね、みどり先生が大すきだったの。
それでパパに相談したの。そうしたらパパは「庭のお花を持っていこうか。女の人はお花が好きなんだよ」と教えてくれたの。だから時々、家のかだんにさいているお花をつんで、ようちえんに持っていってたの。うん、お花たくさんあるんだよ。モッコウバラとか、あじさいとか。パパと僕がお水をあげてるの。先生に持っていったのはコスモスだよ。ピンクと白のコスモスを束にして。輪ゴムで止めただけ。
「敦君おはよう」
朝、ようちえんの校門で先生たちはみんなにごあいさつをするの。みどり先生はぼくをみつけると、すぐににこにこして手を振ってくれるの。
「敦くーん、おはよう」
「せんせい、おはようございます」
ぼくは先生におじぎをして、それから
「パパァ」
ってうしろを向いてパパを呼ぶんだ。ピンクと白のコスモスを持ったパパはゆっくりとぼくと先生に向かって歩いて来るの。
「先生、これ敦からです。今日もよろしくお願いします。何かありましたら、遠慮なく携帯を鳴らしてください」
いつもこんなふうにごあいさつをして、ぼくに手を振ると会社へ行くんだよ。
「いつもありがとう。敦君のおうちに咲いているお花なのね」
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