甘恋-Amakoi-

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 その笑みがやけに色香を放っていて、恥ずかしさのあまり蒼二は目を伏せた。そして伸ばされた手に身体を撫でられると、思わずぎゅっと目を閉じてしまう。  けれどその手は離れるどころか蒼二を煽るように触れてくる。手のひらは胸元を撫で、腰を撫で、脚を撫でる。乱れた裾から手を差し入れられると、蒼二の身体はビクリと跳ねた。素足を撫でられる感触に目を閉じたまま肩を震わせる。 「蒼二さん、目を閉じてると余計に感じるよ」  耳元で小さく笑った声と微かな吐息が耳に触れ、じわりと耳まで熱くなった。さらに腰で結んだ浴衣の帯を解かれると、素肌に外気が触れて心許ない気持ちになる。蒼二は閉じていた目を開いて、縋るように紘希を見つめた。 「そんな顔をされると意地悪したくなる」 「いや、だ。意地悪しないで目いっぱい抱きしめて」 「抱きしめるだけでいいの?」 「だ、駄目だ。お、俺の中で、気持ちよくなって」  おずおずと立てた片膝を開くと、蒼二は見せつけるように腰を上げた。小さな尻を覆うぴったりとしたボクサーパンツには、張り詰めた熱の形が浮かび上がっている。誘うような瞳とうっすら請うように開かれた唇。そして腰をしならせたその姿はひどく扇情的だ。  情欲の炎を瞳の中に揺らめかせた紘希は、その艶めかしい姿態に喉元を上下させた。 「やばいくらいにいやらしいね。いますぐに突っ込んで、めちゃくちゃにしたい」 「ぁっ、んっ、いいよ。紘希の好きにして」  布越しにぐりぐりと窄まりを指の腹でいじられて、蒼二の声が甘くなる。期待するように揺らめいた腰が指先へ押しつけるように上下した。  ぐっと押し込むように小さな窄まりに指を立てられれば、少し上擦った甘えた声が漏れる。直接的な刺激にうっとりと目を細めた蒼二に、獲物を捕食するかのように紘希はゆっくりと舌を舐めた。
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