甘恋-Amakoi-

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 すると身体が引っ張り上げられて胸を突き出すように反り返る。そして引き寄せられるほど突き刺さった熱をさらに奥へと導く。激しく紘希が腰を突き動かせば、震える身体がビクビクと跳ね上がった。 「だ、めっ、紘希、イッてる、イッてるから、それ以上っ、ああぁんっ」  掴んだ両腕をさらに引き寄せられると、蒼二の身体は紘希の胸元に触れる。そして腕を放されると自重でまた熱を深く銜え込む。下からの突き上げに繋がった部分からぐちゃぐちゃと湿った音が響く。その音に耳を犯されて、唇をわななかせる蒼二のこめかみから汗が伝った。 「待って、紘希。動かないで、あぁっん、駄目、またすぐにイキそう」 「めちゃくちゃにしたいって、言ったでしょ。蒼二さんばっかりいい気分になってちゃ駄目だよ」  中をかき混ぜるように腰を回されて、びくんと蒼二の肩が跳ねた。先ほどイッた余韻はまだ抜け切れておらず、些細な刺激だけでもまた波を引き寄せる。  再び律動を開始されるとそれだけでもう身体はすぐに限界を訴え始めた。身体がガタガタと震え、またやってくる先ほどより大きな波に飲み込まれそうになる。 「やだ、待って、こ、うき。あぁんんっ、だめ、あっぁっ」 「んっ、すごくいい。はあ、蒼二さんの中、最高に気持ちいい」  腰を両手で掴まれて、舐るように腰を動かされた。それだけで背筋に電流が走ったみたいに快感が駆け上る。息ができなくなりそうなほどの刺激に、蒼二はボロボロと泣き始めた。その横顔を見つめる紘希はほんの少し困ったように笑い、こぼれ落ちる涙を唇で吸い取る。 「ねぇ、蒼二さんをもっと味わいたい。もうちょっとできるよね?」 「紘希、キス、キスして」 「いいよ」  涙の浮いた縋る目で紘希を見つめれば、顎を掴まれ上を向かされる。そして覆い被さるように口づけられた。それは触れた途端に舌が滑り込み、唾液で濡れた蒼二の口腔を貪っていく。 「んんっ」  舌で粘膜を撫でられるだけで肌がざわめく。ゆるゆると腰を動かされて下と上の刺激にまた蒼二の目に涙が浮かび上がる。しがみつくように腰を掴む紘希の両手に手を重ねると、また一際強く貫かれた。塞がれた口から声にならない声が漏れる。
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